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2026/02/10

日本の腐朽材および土壌から分離した新種子嚢菌酵母Vanderwaltozyma osmotolerans sp. nov.

論文タイトル
Vanderwaltozyma osmotolerans sp. nov., a novel ascomycetous yeast species isolated from rotting wood and soil in Japan
論文タイトル(訳)
日本の腐朽材および土壌から分離した新種子嚢菌酵母Vanderwaltozyma osmotolerans sp. nov.
DOI
10.1099/ijsem.0.006965
ジャーナル名
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
巻号
Volume 75, Issue 11
著者名(敬称略)
浜口 愛勇生 笹野 佑 他
所属
崇城大学 生物生命学部 生物生命学科 微生物ゲノミクス研究室
著者からのひと言
Vanderwaltozyma属酵母は2003年にCletus P. Kurtzmanによって提唱された比較的新しい属である。有名な出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeと同じ科(family)に属する。本論文は、熊本県および香川県の環境サンプルから分離したVanderwaltozyma属新種酵母についての記載論文である。本酵母は非常に強い発酵性および高い浸透圧耐性を示す興味深い性質があり、今後は詳細なゲノム解析と産業応用を見据えた研究を進めていきたい。

抄訳

日本の腐朽材および土壌から、酵母属 Vanderwaltozyma に近縁な3菌株が分離された。ITS1-5.8S-ITS2、LSU rRNA D1/D2 領域、およびミトコンドリア COX II 遺伝子の配列解析に、生理学的性状の解析を組み合わせた結果、これらの分離株は新種を構成するものと判断された。3菌株の ITS 配列および D1/D2 配列は、1塩基の違いを除いてほぼ完全に一致しており、生理学的プロファイルにも差異が認められなかったことから、同一種であることが支持された。これらの菌株は d-グルコースおよび d-フルクトースを活発に発酵した。また、高い浸透圧ストレス耐性を示し、5%グルコースを含む 10%塩化ナトリウム添加培地、あるいは最大 50%(w/v)グルコースを含む培地においても生育可能であった。さらに、V8寒天培地条件下では、1子嚢あたり4個の子嚢胞子を形成した。ITS 配列および LSU D1/D2 配列に基づく系統解析により、これらの菌株は Vanderwaltozyma 属に明確に位置づけられる一方で、既知種とは区別されることが示された。以上の系統学的および表現型的特徴に基づき、これらの分離株を収容する新種として Vanderwaltozyma osmotolerans sp. nov. を提唱する。本種のホロタイプは NBRC 117259T と指定する。

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