抄訳
微細藻類は、周囲の二酸化炭素(CO2)濃度が低下した際に、光合成を維持するための「CO2濃縮機構(CCM)」を駆動させます。しかし、CCMは多大なエネルギーを消費するため、CO2が十分な環境下では適切に抑制される必要があります。本研究では、モデル緑藻クラミドモナスを用いて、CCMのマスター活性化因子であるCCM1/CIA5と結合する新規タンパク質「CBP1」を同定しました。 解析の結果、CBP1は核内に局座するCobW/WWドメインを持つ因子であり、高CO2条件下においてCCM関連遺伝子の発現を抑制する「オフスイッチ」として機能していることが明らかになりました。CBP1を欠損した変異体では、高CO2下でも不必要にCCMが作動し、細胞の増殖が抑制されました。本成果は、水圏の光合成生物が変動する環境下でいかにエネルギー効率を最適化しているかという基礎理解を深めるだけでなく、微細藻類を用いたバイオ燃料生産等の効率化への応用も期待されます。