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2006/05/25

感染性ロタウイルスの2本鎖RNAゲノムへの部位特異的変異の導入のためのリバースジェネティクス系

論文タイトル
Reverse genetics system for introduction of site-specific mutations into the double-stranded RNA genome of infectious rotavirus
論文タイトル(訳)
感染性ロタウイルスの2本鎖RNAゲノムへの部位特異的変異の導入のためのリバースジェネティクス系
DOI
10.1073/pnas.0509385103
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences National Academy of Sciences
巻号
PNAS | March 21, 2006 | vol. 103 | no. 12 | 4646-4651
著者名(敬称略)
谷口孝喜 他
所属
藤田保健衛生大学医学部ウイルス・寄生虫学講座

抄訳

ゲノムが10~12本の2本鎖RNAからなるレオウイルス科の一員であるロタウイルスのリ バースジェネティクス系の開発に成功した。この系は、細胞質中に人工的なウイルス mRNAを供給するために、組み換えワクチニアウイルス由来のT7RNAポリメラーゼを利用 した。ヘルパーウイルス(ヒトロタウイルスKU株)の重感染により、細胞質中に転写 された、サルロタウイルスSA11株の完全長のVP4 mRNAがcDNA由来のSA11 VP4 RNA セグ メントを有したKU株を基本としたトランスフェクタントウイルスに含まれることにな る。真正のSA11 VP4 RNA遺伝子を有するトランスフェクタントウイルスに加え、さら に、SA11 VP4 ゲノム中の遺伝子マーカーとして、2つの制限酵素切断部位の両方また は一方を破壊するためにサイレント変異を導入した3種の感染性ロタウイルストランス フェクタントも本法で作成した。ロタウイルスのゲノムを人工的に操作することがで きることにより、ロタウイルスの複製と病原性の理解度を深める とともに、弱毒ワク チンベクターの構築のための方法として有用であろう。

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