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2006/08/10

ArfGAPのひとつXGAPは原腸形成においてPARタンパク質の局在化と細胞極性に必要である

論文タイトル
XGAP, an ArfGAP, Is Required for Polarized Localization of PAR Proteins and Cell Polarity in Xenopus Gastrulation
論文タイトル(訳)
ArfGAPのひとつXGAPは原腸形成においてPARタンパク質の局在化と細胞極性に必要である
DOI
10.1016/j.devcel.2006.04.019
ジャーナル名
Developmental Cell Cell Press
巻号
Developmental Cell | July, 2006 | vol. 11 | no. 1 | 69-79
著者名(敬称略)
上野直人1, 兵頭-三浦純子1, 山本隆正1, 兵頭亜紀子1
家村俊一郎2, 夏目徹2
日下部杜央3, 西田栄介3
所属
1基礎生物研究所形態形成研究部門
2産業技術総合研究所
3京都大学生命科学研究科

抄訳

我々は、原腸形成における重要な細胞運動「収斂と伸長」の分子メカニ ズムを明らかにするために、過剰発現による原腸形成異常を指標とした 機能スクリーニングを行い、ADPリボシル化因子のGTP分解 酵素活性化タンパク質(ArfGAP)を同定しXGAPと名付けた。XGAPは原腸形成時に活発に運動する背側中胚葉細胞の両端に局在し、そこに細胞突起を限局して形成するために必要であり、それによって「収斂と伸長」に参加する細胞同士の滑り込み運動を促進するのに必要であることが分かった。また、同XGAP活性や細胞内局在には GAP活性自体は必要なく、むしろGAP活性とは直接の関わりのない カルボキシル末端側の構造が必要十分であることも分かった。さらに、XGAPは14-3-3ε、aPKC、Par6といった極性タンパク 質と物理的に相互作用し、それらタンパク質を原腸形成に参加するの細 胞の両端に局在化することが明らかになった。以上のことより、 XGAPはPARタンパク質を細胞内突起を形成する領域に極性化させ、それらを維持することによって収斂と伸長を制御しているものと考えられる。

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