抄訳
負の転写伸長因子NELFは4つのサブユニットからなり,神経疾患や癌といった様々な疾病と関連している.我々は,NELFが核のキャップ結合因子CBCと相互作用し,両因子がさらにヒストンのステムループ結合因子SLBPと相互作用することで,複製依存的ヒストンmRNAの3’末端プロセシングを制御していることをここに報告する.驚くべきことに,NELFとCBCのいずれかが欠損すると,ポリA付加された異常なヒストンmRNAが蓄積する.さらにNELFは核内でヒストンの遺伝子座と相互作用し,我々がNELF bodiesと名付けた独自の核内構造を形成する.NELF bodiesはしばしばCajal bodiesやcleavage bodiesと空間的に重なる.以上の結果から,NELFのヒストンmRNAプロセシングにおける驚くべき役割が明らかとなり,NELFが転写の過程で様々なmRNAプロセシングの過程をコーディネートする因子の1つであることが示された