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2009/10/27

Wnt5タンパク質はマボヤ胚の脊索のインターカレーションに必要である

論文タイトル
Wnt5 is required for notochord cell intercalation in the ascidian Halocynthia roretzi
論文タイトル(訳)
Wnt5タンパク質はマボヤ胚の脊索のインターカレーションに必要である
DOI
10.1042/BC20090042
ジャーナル名
Biology of the Cell 
巻号
2009|Vol. 101|part 11|645-659
著者名(敬称略)
庭野智子、高鳥直士、熊野 岳、西田宏記
所属
大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻発生生物学研究室

抄訳

多くの動物の胚は発生中に体が前後に長くなっていく。これは、胚細胞が左右から正中面に向けて移動し、互いの間に入り込んでいく収斂と伸張運動 によっている。Wntタンパク質はこの細胞運動に 深く関わっていることが示されてきた。ホヤ胚を使ってWntタンパク質を欠如させたり過剰に産生させたりした結果、尾の中心を貫いている脊索の収斂運動に異常が見られ、細胞が互いの間に入り込ん でいくことができなくなった。また、一部の脊索細胞のみでWntタンパク質を欠如させたり過剰に産生させたりしたモザイク解析の結果は、Wntタンパク質が脊索細胞自体で必要とされ、その作用機構が 細胞自律的であることが示唆された。Wntタンパク質は脊索細胞でオートクライン的に働いているようである。

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