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2006/01/12

超高分解能X線構造化学で明らかになった[NiFe] ヒドロゲナーゼの活性化機構: Ready型からUnready型への変換

論文タイトル
Activation Process of [NiFe] Hydrogenase Elucidated by High-Resolution X-Ray Analyses: Conversion of the Ready to the Unready State
論文タイトル(訳)
超高分解能X線構造化学で明らかになった[NiFe] ヒドロゲナーゼの活性化機構: Ready型からUnready型への変換
DOI
10.1016/j.str.2005.07.018
ジャーナル名
Structure Cell Press
巻号
Structure, Vol 13, 1635-1642, November 2005
著者名(敬称略)
樋口芳樹1 緒方英明2 廣田俊3 他
所属
1 兵庫県立大学大学院生命理学研究科
2 マックスプランク研究所
3 京都薬科大学大学院薬学研究科

抄訳

ヒドロゲナーゼは水素分子の合成・分解を触媒する酵素である. この分子の機能は,将来,水素をエネルギーとして利用する時,いろいろな形で応用できる可能性を秘めている.[NiFe]ヒドロゲナーゼの酸化型(不活性型)には「Ni-A」と呼ばれるUnready型と「Ni-B」と呼ばれるReady型がある.我々は,Na2SとO2を使って,Ni-B型の酵素を100%Ni-A型に変換させる方法の開発に成功し,両者のNi-Fe活性部位の構造の違いを超高分解能X線解析法で明らかにした.Ni-B型はNiとFeの間に単原子のブリッジ配位子があり,Ni-A型はそれが2原子分子であった.Ni-A型のブリッジ配位子の構造とCOで活性阻害したCO結合型の構造の比較から,「不活性−Unready型」と「CO阻害型」の共通の特徴を見出した.これらの知見は,生物酵素のモデル化合物を合成するときに役立つと期待できる.

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