抄訳
老化促進マウス(SAM)のサブタイプSAMP6は、早期に骨粗鬆症を発症する。我々は、これまで骨髄内骨髄移植によって、ドナーの造血系の細胞のみならず、間葉系の細胞も置換できることを見出した(Blood 97: 3292-3299, 2001)。そこで、SAMP6を用いて、骨粗鬆症の予防を試み、正常マウスの全骨髄細胞(造血幹細 胞と間葉幹細胞を含む)を骨髄内に移植することによって、予防に成功した(Stem Cells 20: 542-551, 2002)。レシピエントの骨髄ストローマ細胞は、ドナー側に置換していることも確認した。 今回、骨粗鬆症発症後のSAMP6に若齢(8週齢)の正常マウスの骨髄細胞を骨髄内骨髄移植することによって、治療も可能であることを明らかにした。 将来、骨髄内骨髄移植が、ヒトで安全に実施できるようになれば、骨粗鬆症の根本治療 になることが期待される。