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2024/12/17

ヒツジ受胎産物は妊娠14–15日目にリン脂質分解阻害遺伝子を発現し、IFNT経路と相互作用する

論文タイトル
Ovine conceptuses express phospholipase inhibitory genes on days 14-15 of pregnancy, interacting with IFNT pathways
論文タイトル(訳)
ヒツジ受胎産物は妊娠14–15日目にリン脂質分解阻害遺伝子を発現し、IFNT経路と相互作用する
DOI
10.1530/REP-24-0286
ジャーナル名
Reproduction
巻号
Accepted Manuscripts REP-24-0286
著者名(敬称略)
松野 雄太 今川 和彦 他
所属
東海大学 総合農学研究所
著者からのひと言
本研究では、ヒツジ受胎産物において着床前の時期特異的に高発現する未知遺伝子の中から、分泌型のリン脂質分解阻害活性ドメインを有する遺伝子を発見しました。リン脂質は着床制御に重要なプロスタグランジン類の産生経路です。今後、本研究で同定したリン脂質分解阻害遺伝子と子宮内のプロスタグランジンの産生制御との関連性を探っていきたいと考えています。

抄訳

本研究は、ヒツジの受胎産物と子宮内膜の相互作用に関与する新規分泌タンパク質の特定を目的とした。妊娠12、14、15、16、17、19、20、21 日目のヒツジ受胎産物のRNAシーケンスデータを解析し、発現量が高いが機能が解明されていない遺伝子に着目し、in silicoによるタンパク質機能解析を実施した。その結果、妊娠14-15日目にリン脂質分解阻害タンパク質をコードする遺伝子が高発現することを同定した。この遺伝子の組換えタンパク質を作製し、ウシ子宮内膜細胞の初代培養系とRNAシーケンス解析を用い、リン脂質分解阻害タンパク質が子宮内膜に及ぼす影響を解析した。その結果、インターフェロンタウ関連経路の遺伝子発現に影響を及ぼした。これらの結果から、これまで多数同定された因子に加えて、リン脂質分解阻害タンパク質が受胎産物と子宮内膜間の相互作用に関わる新たな候補分子であることが示唆された。

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