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2025/01/30

晩期発症の小児慢性涙腺炎;COVID19感染症との病理学的解析

論文タイトル
Late onset paediatric dacryoadenitis associated with SARS-CoV-2 confirmed by histological analysis
論文タイトル(訳)
晩期発症の小児慢性涙腺炎;COVID19感染症との病理学的解析
DOI
10.1136/bcr-2023-257615
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
Vol. 17, No.12 (2024)
著者名(敬称略)
横山 宏司
所属
日本赤十字社 和歌山医療センター 小児科
著者からのひと言
COVID19感染症パンデミックを最初に警鐘を鳴らしたのは中国の眼科臨床医でした。私は小児科臨床医です。全身臓器を診療対象とする子どもの総合医として、日々向き合っています。今回の症例のように患者さんの一つ一つの症状・兆候を大切し新規の知見を積み重ねていきたいと思います。

抄訳

本論文は小児慢性涙腺炎とCOVID19感染症の関連を解析した報告になります。涙腺炎、あるいは眼窩部の腫大とCOVD19感染症の関連について、初めて評価したのが共著者の加瀬 諭先生でした。今回我々は小児例の解析・報告を行いました。加瀬先生が報告された成人症例はステロイド全身投与を必要としましたが、本症例はステロイド点眼薬のみで改善しており、病理学的にも炎症像は軽症でした。一般的にもCOVID19感染症において成人と比して小児例は軽症が多く、その機序ははっきりしていません。今回の解析で小児COVID19感染症がなぜ涙腺炎を引き起こすのか、成人と比して軽症なのかについて一助となると考えています。

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