抄訳
神経細胞間のコミュニケーションであるシナプス伝達は、神経伝達物質を含むシナプス小胞が継続的に再利用される過程に依存している。この過程の解析法として、酸性環境にあるシナプス小胞内にpH感受性の蛍光タンパク質を遺伝学的に導入しイメージングする手法が広く利用されている。しかし、遺伝子の導入と光学的イメージングを必要とする技術的制約から、培養神経細胞での実験が多く、生体内や組織標本での利用はまだ限られている。ゼブラフィッシュは、遺伝学的操作が容易なうえ、仔魚は組織が透明であるため蛍光イメージングに適している。私たちのグループでは、シナプス伝達を可視化できる蛍光プローブを運動神経特異的に発現するトランスジェニックゼブラフィッシュを作成している。本論文では、この魚の神経筋接合部標本を用いて、シナプス伝達をライブイメージングする方法を説明している。