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EndNote サイトライセンス導入事例 ~東京歯科大学様~

個人負担をゼロにし、研究者の「論文を書く意欲」を醸成する為の環境作り


東京歯科大学 図書館長 / 衛生学講座 主任教授
杉原 直樹 様 博士(歯学)


EndNoteのサイトライセンスを導入した背景と目的を教えてください

本学では、研究の推進と大学のグローバル化を掲げ、国際的な情報発信に注力しています。その中で、文献管理ソフト「EndNote」は論文執筆をスムーズにする為に不可欠なツールですが、個人購入では約6万円と高価であり、特に大学院生や若手研究者にとっては大きな経済的負担となります。

その為、「科研費が採択されたら買う」という状況が多く、予算のない時期や学生時代には手作業での文献管理を強いられることも少なくありませんでした。膨大な労力を要する手作業の煩わしさは、論文執筆への意欲を削ぐ要因にもなりかねません。

導入の主な目的は、この経済的障壁を取り除き、すべての研究者が等しく世界標準の執筆環境を享受できるようにすることです。早い段階からプロ仕様のツールに触れることで、研究基盤のボトムアップを図り、ひいては大学全体の研究成果の質と量の向上を目指しています。

今後、中長期の視点で見た時、どのような効果測定が必要でしょうか?

中長期的な評価において最も重要なのは、ソフトのダウンロード数という単なる「数値」だけでなく、研究者の「負担が実際に軽減されたか」という質的な変化を測定することです。

導入1年を目処に全学的なアンケートを実施し、論文執筆のプロセスがどう変化したか、効率化が図られたかを検証する必要があります。また、執筆された論文数や、その論文が掲載されたジャーナルの質を追跡することも、効果測定の一つの指標となると考えています。

また、論文の文末にある参考文献リストの体裁が正確に整っていることは、論文全体の信頼性を示すと私は考えています。体裁が整った論文が増えているかどうかを、学位審査などの場を通じて多角的に評価していくことも必要です。単に「導入して終わり」ではなく、導入の効果を最大化する為に、支援体制を柔軟に変えていくことも必要不可欠だと思います。

利用を更に普及させるには、どのような施策が必要でしょうか?

さらなる普及には「EndNoteを使うメリット」を具体的かつ身近に提示する施策が必要です。特に、論文を「書く」段階だけでなく、日常的な「読む・選ぶ」プロセスに組み込む提案が有効です。

例えば、各教室で行われる「抄読会」での活用です。文献情報の管理や共有、さらには最新のAI要約・翻訳機能を紹介することで、英語への苦手意識がある研究者や学部生の層にも利便性を訴求できます。

また、多忙な研究者や学生が参加しやすいよう、30分程度の短時間で要点を網羅したクイックウェビナーの開催も効果的です。「高度な学習が必要な難しいソフト」という心理的ハードルを下げ、「30分で参考文献リストの作成が楽になる」という手軽さを強調することが重要です。

学内ポータルサイトでの継続的な周知に加え、実習やセミナーなどの教育カリキュラムと連動させることで、自然な形でツールが定着する環境を整えていけたらと考えています。

今後の図書館の役割と、その役割を実施する為には何が必要でしょうか?

単科大学である本学の図書館にとって、限られた予算と人員の中でいかに効率よく最大級の支援効果を出すかが最大の課題です。今後の図書館は、単に本を貸し出す場所ではなく、研究者の「知の生産」を加速させるコンサルティング機能や、最新のITツールを提供するハブとしての役割がより強く求められます。

特にAI技術の進展が著しい今、それらを正しく安全に使いこなし、研究に活かすための知識を研究者にフィードバックする機能が重要になります。

この役割を果たすためには、図書館スタッフ自身が技術トレンドに対し柔軟かつ敏感であること、そして学内の研究現場(各講座や学生)のリアルな困りごとを吸い上げる「現場感覚」が必要です。

小規模大学ならではの機動力を活かし、特定の研究分野に特化した高度な支援メニューを構築するなど、大手大学にはない独自価値の提供を目指します。


東京歯科大学 図書館
杉原様、阿部様

【参】EndNote 目次