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2026/03/02

高速原子間力顕微鏡による真菌由来機能性アミロイド・ハイドロフォビンRolAの表面触媒型線維伸長機構の解明

論文タイトル
High-speed atomic force microscopy reveals a surface-catalyzed elongation mechanism of the fungal functional amyloid hydrophobin RolA
論文タイトル(訳)
高速原子間力顕微鏡による真菌由来機能性アミロイド・ハイドロフォビンRolAの表面触媒型線維伸長機構の解明
DOI
10.1073/pnas.2523502123
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
Proceedings of the National Academy of Sciences Vol.123 No.7 e2523502123
著者名(敬称略)
高橋尚央 (筆頭著者) 阿部敬悦 (連絡著者) 他
所属
東北大学大学院農学研究科 発酵微生物学寄附講座
著者からのひと言
日本の伝統的な発酵産業で活躍する麹菌には、ハイドロフォビンRolAと呼ばれるタンパク質が集まってできた丈夫な“線維の被膜”が備わっています。本研究では高速原子間力顕微鏡により、幅数nmの線維が伸長する様子をリアルタイムで観察し、線維被膜ができる仕組みを明らかにしました。麹菌研究としてだけでなく、タンパク質線維の形成機構を幅広く理解するための新しい視点を与えると期待されます。

抄訳

麹菌が分泌する機能性アミロイド・ハイドロフォビンRolAは、自己組織化してrodletと呼ばれる線維状構造を形成し、細胞表層を密に覆うことで防御被膜として機能する。しかし、rodlet被膜が形成される機構は未だ不明である。
本研究では、高速原子間力顕微鏡を用い、線維の一本の伸長過程をリアルタイムに観察した。解析の結果、既存rodlet表面が触媒的に働き、それに沿ったrodletの伸長を加速させる現象(表面触媒型線維伸長)を見出した。この効果によりrodletの束化・整列が促され、実際の麹菌分生子表面で観察されるような緻密なrodlet被膜が形成されている可能性がある。本研究の成果は、麹菌細胞表層構造の発達過程の一端を明らかにするだけでなく、アミロイド線維伸長機構の理解をさらに深化させるものである。

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