抄訳
麹菌が分泌する機能性アミロイド・ハイドロフォビンRolAは、自己組織化してrodletと呼ばれる線維状構造を形成し、細胞表層を密に覆うことで防御被膜として機能する。しかし、rodlet被膜が形成される機構は未だ不明である。
本研究では、高速原子間力顕微鏡を用い、線維の一本の伸長過程をリアルタイムに観察した。解析の結果、既存rodlet表面が触媒的に働き、それに沿ったrodletの伸長を加速させる現象(表面触媒型線維伸長)を見出した。この効果によりrodletの束化・整列が促され、実際の麹菌分生子表面で観察されるような緻密なrodlet被膜が形成されている可能性がある。本研究の成果は、麹菌細胞表層構造の発達過程の一端を明らかにするだけでなく、アミロイド線維伸長機構の理解をさらに深化させるものである。