抄訳
土壌に有用微生物を導入するバイオオーグメンテーションは農業分野で広く利用されているが、その影響を土壌微生物群集全体のレベルで評価することは容易ではない。本研究では、ダイズ根粒菌 Bradyrhizobium の接種が土壌微生物群集に及ぼす影響を、高次元オーディネーション解析を用いて評価した。微生物群集データを高次元空間に埋め込み、群集遷移の方向性や群集間の距離などの空間的特徴を解析することで、接種による群集構造の変化を検討した。その結果、接種菌の影響は土壌条件や時間経過によって異なる形で現れることが示され、従来の低次元解析(2〜3次元への可視化)では捉えにくい群集構造の変化が明らかとなった。これらの結果は、高次元空間を用いた解析が微生物群集の変化を理解するうえで有効な手法となる可能性を示している。