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2026/03/30

日本における硬膜動静脈瘻に対する血管内治療の13年間の変遷と発展:全国6470例から得られた知見

論文タイトル
Thirteen-Year Trends and Advancements of Endovascular Therapy for Dural Arteriovenous Fistulas in Japan: Insights from a Nationwide Study of 6470 Procedures
論文タイトル(訳)
日本における硬膜動静脈瘻に対する血管内治療の13年間の変遷と発展:全国6470例から得られた知見
DOI
10.3174/ajnr.A8840
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology
巻号
November 2025, 46 (11) 2273-2278
著者名(敬称略)
村井 智 他
所属
川崎医科大学 脳神経外科
著者からのひと言
本論文は、全国6470件という大規模データを用いて、日本の硬膜動静脈瘻に対する血管内治療の進歩を明らかにした点が大きな特徴です。Onyx®などの導入により治療成績が向上した一方で、安全な普及には指導医の関与が重要であることも示しました。新しい技術の恩恵を最大限に活かすには、教育体制の充実も不可欠である伝える意義深い報告です。

抄訳

頭蓋内硬膜動静脈瘻は比較的まれな疾患であるが、静脈梗塞やくも膜下出血を引き起こすことがある。本研究では日本脳神経血管内治療学会の全国レジストリー (JR-NET)に登録された2007年から2019年の硬膜動静脈瘻に対する血管内治療6470例を解析し、治療方法や治療成績の変化を検証した。その結果、Onyx®などの析出型液体塞栓物質が導入されたことで、従来は直達手術が行われることの多かったテント部や前頭蓋窩の硬膜動静脈瘻に対する血管内治療の件数が約5倍に増加し、経動脈的塞栓術の完全閉塞率も有意に向上した。一方で、これらの新しい塞栓物質の使用は合併症リスクとも関連していたが、学会認定指導医による監督下で治療を行うことで、そのリスクが低減されることも示された。

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