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2026/03/30

シアノバクテリアの体内時計の周期は、試験管の中でも細胞の中でも、高い精度で安定している
 

論文タイトル
Intrinsic period stability of the cyanobacterial circadian oscillator across in vitro and in vivo conditions
論文タイトル(訳)
シアノバクテリアの体内時計の周期は、試験管の中でも細胞の中でも、高い精度で安定している
DOI
10.1073/pnas.2526714123
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
Proceedings of the National Academy of Sciences Vol.123 No.12 e2526714123
著者名(敬称略)
三輪 久美子 他
所属
大阪大学 生命惑星進化学グループ
著者からのひと言
本研究は、約25年にわたり、故近藤特別教授の研究室でこつこつと積み重ねてきた成果です。実験で、シアノバクテリアの細胞内や試験管内のとてもきれいなリズムを見るたびに、1ミリメートルの500分の1程度しかない小さな微生物の中に、これほど正確な時計を生み出す仕組みがあるという事実に、いつも驚かされます。

抄訳

多くの生物は昼夜の環境変化に適応するため、約24時間周期の体内時計を備えています。体内時計は気温や光が変わっても周期がほとんど変わらず、高い精度で保たれることが知られています。シアノバクテリアの体内時計は試験管内で再現することができ、3つの時計タンパク質(KaiC、KaiA、KaiB)を試験管の中で混合すると、KaiCの活性が約24時間周期のリズムを示します。しかし、細胞内では遺伝子の働きも関わるため、時計の正確さを決めているのがタンパク質か細胞全体かは長年の課題でした。本研究では、細胞内と試験管内のリズムを比較し、時計の精度がKaiCという単一タンパク質の性質に備わっていることを明らかにしました。さらに、細胞内では周期がわずかに調整され、地球の昼夜のリズムに近づく可能性も示されました。これらの結果は、生物が正確に時間を刻む仕組みの理解を大きく前進させるものです。

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