抄訳
非結核性抗酸菌Mycobacterium abscessusは高度な薬剤耐性を示し、治療には多剤併用療法が不可欠であるが、併用効果の評価は主にin vitro系に依存している。本研究では、カイコ(Bombyx mori)感染モデルを用い、抗菌薬併用効果を生体レベルで定量的に評価可能なin vivo表現型評価系を構築した。本評価系では、複数用量の組み合わせを網羅的に検討することで、用量依存的な薬剤間相互作用を生存率に基づいて評価できる。さらに、in vivoにおける併用効果を定量化する指標としてfractional effective dose index(FEDI)を導入し、相乗・拮抗作用の判定を可能とした。クラリスロマイシン+アミカシンにおける拮抗作用およびイミペネム+セフォキシチンにおける相乗効果は、既報のin vitro結果と同様の傾向を示し、本評価系の有用性が示された。本手法は倫理的負担が少なく、哺乳類モデルでは困難な多数条件の系統的評価を可能とすることから、抗菌薬併用療法の最適化および前臨床段階における有用な評価基盤となることが期待される。