抄訳
細胞内共生細菌であるボルバキアは、宿主の性決定や生殖のシステムを操作することで次世代への感染拡大を図っています。基礎生物学的にも応用上も重要な共生細菌ですが、ボルバキア遺伝子の機能解析については非常に遅れています。その理由としては、確立した移植方法がないこと、そして遺伝子操作法が存在しないことが挙げられます。本研究では、アワノメイガにおいてオス殺しを引き起こすボルバキア(wFur)とアワノメイガ由来の培養細胞を用いて、ボルバキア移植方法を構築しました。その結果、非感染細胞へのwFur移植が細胞毒性を伴う細胞増殖抑制を引き起こすことがわかりました。さらに、wFur遺伝子を非感染アワノメイガ培養細胞で発現させる発現スクリーニングによって、w52とw75と名付けた細胞増殖抑制活性を示すボルバキア遺伝子を発見しました。これら2つの遺伝子はwFur感染におけるアワノメイガの細胞増殖抑制に関与している可能性が考えられます。