本文へスキップします。

H1

国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2026/04/14

Comamonas testosteroni TA441株のステロイド分解においてBCD環のベータ酸化開始に必須な酵素9,17-dioxo-1,2,3,4,10,19-hexanorandrostan-5-oic acid (9,17-DOHNA) のC9-hydrogenase、および7α-dehydrataseの同定

論文タイトル
Identification of the C9-hydrogenase for 9,17-dioxo-1,2,3,4,10,19-hexanorandrostan-5-oic acid (9,17-DOHNA) and the 7α-dehydratase essential for initiating β-oxidation of the B-, C-, and D-rings in steroid degradation by Comamonas testosteroni TA441
論文タイトル(訳)
Comamonas testosteroni TA441株のステロイド分解においてBCD環のベータ酸化開始に必須な酵素9,17-dioxo-1,2,3,4,10,19-hexanorandrostan-5-oic acid (9,17-DOHNA) のC9-hydrogenase、および7α-dehydrataseの同定
DOI
10.1128/aem.02331-25
ジャーナル名
Applied and Environmental Microbiology
巻号
Applied and Environmental Microbiology Ahead of Print
著者名(敬称略)
堀之内 正枝
所属
理化学研究所Kim表面界面科学研究室
著者からのひと言
細菌による好気的ステロイド分解の分解経路および関連遺伝子の大半は長らく不明であり、TA441株を用いた一連の研究で初めてステロイド骨格の分解がほぼ明らかになったものの、細菌がこの分解系を持つメリット、この分解系の環境中での役割についてはまだ不明である。その解明にはより広範囲の分解細菌の解析が必要だが、遺伝的に遠い細菌では酵素のアミノ酸配列の相同性も低くなる。立体構造での検索が可能になれば、新たな一面が見えてくるかもしれない。

抄訳

Comamonas testosteroni TA441株は、ステロイド骨格の分解経路が最も詳細に解明されている、好気的ステロイド分解細菌のモデル株である。TA441株と同様の分解経路は、他のプロテオバクテリアや結核菌などの放線菌を含む幅広い属の細菌に存在する。本研究では新たにCD環開裂に必須なhydrogenase(ScdB)およびdehydratase(ScdH)を同定した。AlphaFoldによるモデリングでは、TA441株のステロイド分解に関わるhydrogenaseのうち5種がScdBと類似構造をとる事が示され、ScdHは、BCD環の分解に関与するScdYおよびScdNと同様のホモヘキサマー構造を形成すると予測された。同様に他の酵素も解析した結果、TA441のC12βdehydrataseが、アミノ酸配列のidentityが約28%しかないClostridium scindensの胆汁酸7α dehydratase BaiEと強い構造的類似性を示すことが明らかになった。

論文掲載ページへ