抄訳
LRBA欠損症は、慢性的な下痢や繰り返す感染症を特徴とする先天性免疫異常症に分類される疾患として知られていますが、免疫系以外の表現型については十分に解明されていませんでした。本研究では、LRBA欠損症患者の国際共同レジストリ解析、LRBA欠損症モデルマウスの病態解析、腎臓膜タンパクの網羅的解析を組み合わせることで、LRBA欠損症において尿濃縮力障害、多尿、電解質異常が生じることを明らかにしました。その機序として、LRBAが腎臓集合管ではAQP2・AQP4水チャネルの小胞輸送を担い、さらに遠位尿細管ではSPAKキナーゼの小胞輸送を介して塩輸送体の活性制御を担うことを解明しました。LRBAは腎臓において水と塩を協調的に保持する役割を有し、尿中への喪失を防いでいました。LRBA欠損症患者の診療では、脱水症への注意が必要となる一方で、一部の変異では抗利尿薬デスモプレシンが多尿の治療へ有効となる可能性を示せており、遺伝子変異に応じた個別化医療への発展が期待されます。