抄訳
【目的】脳動脈瘤に対するコイル塞栓術後の至適フォローアップ期間は明確ではない。今回我々は未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術後の長期成績を調査し、再開通および再治療までの期間を検証した。
【方法】2006年4月から2011年3月に脳動脈瘤塞栓術を施行した148個の未破裂動脈瘤のうち、5年以上の経過観察が可能であった116個を対象とした。当院ではTOF-MRAを用いて塞栓術後の画像フォローを行っており、術翌日、3-6か月後、1年後、以後1年1回施行されている。
【結果】平均観察期間は7年で、術後2年以内に再開通した動脈瘤は19個(16.3%)あり、うち8個(6.8%)に対して再治療が行われた。術後2年以内に再開通しなかった瘤は、全例その後のフォロー期間中に再開通することはなかった。また、瘤の最大径が大きいものほど再開通率が高いことが明らかになった(P=0.019)。
【結論】未破裂脳動脈瘤の塞栓術後2年以内に再開通を認めなかった場合、術後7年間は再開通を認めなかった。本結果は、動脈瘤塞栓術後フォローアップ画像検査の頻度および期間を考慮するにあたり、参考となるかもしれない。