抄訳
大規模疫学調査等によって、朝食欠食は肥満や生活習慣病と関連していることが報告され、また一過性の食事介入実験でも平均血糖値に影響を及ぼすことが明らかとなっている。本研究では、健康な男性10名を対象に1日の摂取エネルギー量は等しい6日間の食事介入(1日3食摂取または1日2食(朝食欠食))実験を行い、朝食欠食が生体に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。食事介入期間中は持続血糖測定を行い、介入6日目にはエネルギー代謝を測定した。その結果、就寝前の血糖値は朝食欠食試行で有意に高値を示し、食事介入1日目のみ昼食後の血糖値が大きく上昇した。また、食事介入6日目は座位安静を保ってエネルギー代謝測定を行ったため、平均血糖値が高いという結果となった。24時間のエネルギー消費量や酸化基質に違いは認められなかった。安静と朝食欠食が血糖値の上昇をもたらすことが示され、血糖コントロールにおける身体活動と朝食摂取の必要性が示唆された。