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日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2019/08/21

オールドキノロン系薬は小児患者から分離されるキノロン低感受性インフルエンザ菌の識別に有用である

論文タイトル
Earlier generation quinolones can be useful in identifying Haemophilus influenzae strains with low susceptibility to quinolone isolated from paediatric patients
論文タイトル(訳)
オールドキノロン系薬は小児患者から分離されるキノロン低感受性インフルエンザ菌の識別に有用である
DOI
10.1099/jmm.0.001027
ジャーナル名
Journal of Medical Microbiology
巻号
Journal of Medical Microbiology Vol 68 Issue 8 (2019) 1227-1232
著者名(敬称略)
田中 愛海、輪島 丈明 他
所属
東京薬科大学 薬学部 病原微生物学教室

抄訳

 近年、日本では小児領域において、キノロン系薬に対し感受性が低下したインフルエンザ菌(キノロン低感受性株)が出現している。キノロン低感受性株は、小児用量における最高血中濃度のキノロン系薬曝露後でも生存可能であるにも関わらず、通常の感受性試験では「感受性」と判定される。そこで、本研究では、ディスク拡散法を用いた低感受性株の簡易的かつ低価格な識別法の確立を目的とした。ディスク拡散法には、33株の臨床分離株と感受性基準株を使用した。薬剤は、レボフロキサシン、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ピぺミド酸を用いた。それぞれの阻止円とキノロン耐性決定領域(QRDR)のアミノ酸置換の相関を評価したところ、すべての株がレボフロキサシンとノルフロキサシンに対し、明瞭な阻止円を形成した。一方で、低感受性株では、ナリジクス酸に対する阻止円が認められなかった。さらに、QRDRに2つのアミノ酸置換を有する低感受性株では、ピぺミド酸に対する阻止円も認められなかった。これは、オールドキノロン系薬に対する阻止円の有無で、遺伝子解析なしでも、高感度にキノロン低感受性株を検出可能であることを示している。本検出法は、キノロン系薬の不適切な使用を減らすことに貢献できると考えられる。

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