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2019/09/17

中鎖脂肪酸(8:0,10:0)はサルコペニアの改善に期待される栄養素である:無作為化比較試験

論文タイトル
Medium-chain triglycerides (8:0 and 10:0) are promising nutrients for sarcopenia: a randomized controlled trial
論文タイトル(訳)
中鎖脂肪酸(8:0,10:0)はサルコペニアの改善に期待される栄養素である:無作為化比較試験
DOI
10.1093/ajcn/nqz138
ジャーナル名
American Journal of Clinical Nutrition
巻号
American Journal of Clinical Nutrition Vol.110, No.3 (652–665)
著者名(敬称略)
阿部 咲子, 江崎 治 他
所属
昭和女子大学 生活科学研究専攻 女性健康科学研究所

抄訳

高齢フレイル入所者に、ロイシン、ビタミンD強化サプリメントと中鎖脂肪酸(MCT)6gを夕食に加えて3ケ月間摂取した群(LD+MCT群)では、筋力や筋肉機能の増加が認められている。本研究では、MCTのみの効果を調べた。介護老人保健施設の入所者(平均86歳)64人を登録し、LD + MCT群、MCT6gのみのMCT群、LCT6gのみのLCT群の3群にて3ケ月間の介入試験を実施した。ベースライン、介入開始後1.5ケ月・3ケ月(介入時)、介入終了後1.5ケ月の4回、筋力や筋肉機能、ADLを測定し、各測定項目のベースラインからの変化量を従属変数とし、群、測定時期、群と測定時期の交互作用を固定因子とし、ベースライン時の各測定値、年齢、性、BMI、握力、ADLを交絡固定因子として調整し、線形混合モデルで解析した。介入3ケ月においてベースラインからの変化量は、下肢反復開閉回数(10秒間)では、LD + MCT群2.70回、MCT群 2.28回、 LCT群 -0.59回であり、機能的自立度評価(FIM)スコア(総点126点)では、LD + MCT群6.9点、MCT群 5.6点、LCT群 -6.6点と変化した。介入開始後1.5ケ月より3ケ月でより増加し、介入終了後1.5ケ月後で減少した。MCT6g摂取のみでも、高齢者の筋力や筋肉機能、ADLを高めた。

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