本文へスキップします。

H1

国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2020/01/31

Nigrosome 1の解剖学的な傾斜構造から考える描出能

論文タイトル
Visualization of Nigrosome 1 from the Viewpoint of Anatomic Structure
論文タイトル(訳)
Nigrosome 1の解剖学的な傾斜構造から考える描出能
DOI
10.3174/ajnr.A6338
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology
巻号
American Journal of Neuroradiology Vol. 41, No. 1 (86-91)
著者名(敬称略)
荒井 信行 他
所属
名古屋市立大学病院 診療技術部 放射線技術科

抄訳

黒質緻密部に存在するnigrosome1は,MRIにおいてパーキンソン病の進行例では描出されにくくなるが,健常者やパーキンソン病の軽度進行例においても本来描出されるべきnigrosome1が描出不良となったり左右非対称に描出されることがあり,鑑別が困難となることがある.今回われわれは静磁場方向に対する頭部の傾きと魔法角,さらに磁化率に着目し,nigrosome1の解剖学的な傾斜構造を考慮した描出不良の原因について初めてアプローチした.9点マルチエコーのスポイルド型3D-GRE法を使用し,魔法角の影響を調べるために静磁場方向に対して健常ボランティアの頭部を右傾斜,左傾斜,0°に設定し,傾斜角度と左右のnigrosome1の描出能の関係と磁化率の関係,さらに局所磁場の影響について調べた.頭部を右傾斜,左傾斜にした方が0°の時よりも有意にコントラストが上昇した.そして0°の時は魔法角の影響が顕著であり,これは磁化率強調像で裏付けられた.nigrosome1の解剖学的な傾斜構造は,磁気双極子相互作用による魔法角と干渉し,これによりnigrosome1は非対称の描出,もしくは描出不良となることがある.

論文掲載ページへ