抄訳
【背景・目的】ムコ多糖症(MPSs)はグリコサミノグリカン(GAG)を分解する酵素の欠損により引き起こされるライソソーム病であり、GAGの蓄積により全身の臓器が障害され様々な症候を呈するが、既存の治療である欠損酵素の補充療法では成長障害は改善しない。本研究ではMPSⅦ型の成長障害に対する強い成長促進作用があるCNPの効果を調べる事を目的とした。
【方法・結果】6週齢のMPSⅦ型モデルであるGusbmps-2jマウスに対し、ハイドロダイナミック遺伝子導入法を用いてGUSB補充とCNP投与のモデルを作成した。成長曲線からGUSB群およびCNP群では体長の有意な伸長は認めなかったが、GUSB/CNP共発現群では有意な体長の伸長が得られ、4週間後に野生型マウスと同等の体長となった。
【考察】MPSⅦ型の成長障害を酵素補充療法とCNPの併用により治療できることが示唆され、患者数が多いⅠ型やⅡ型への応用も期待される。