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2020/03/23

アルドステロン濃度とカリウム所見に基づくPA診断手順の簡素化

論文タイトル
Role of Aldosterone and Potassium Levels in Sparing Confirmatory Tests in Primary Aldosteronism
論文タイトル(訳)
アルドステロン濃度とカリウム所見に基づくPA診断手順の簡素化
DOI
10.1210/clinem/dgz148
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
巻号
Vol.105 No.4 (dgz148)
著者名(敬称略)
馬越 洋宜, 坂本 竜一 他
所属
九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学講座 (第三内科)

抄訳

【背景】原発性アルドステロン症(PA)は、スクリーニング陽性例に対して機能確認検査を施行し、確定診断に至る。近年のガイドラインでは、血漿アルドステロン濃度(PAC)やカリウム所見に応じて機能確認検査が省略可能とされるが、ガイドライン毎に省略可能条件が異なり、根拠となるエビデンスも乏しい。
【目的】PACとカリウム所見に基づき機能確認検査が省略可能となる条件を明らかにする。
【方法】2007年1月から2019年4月に当院でアルドステロン・レニン比>200かつ血漿レニン活性<1 ng/ml/hでカプトプリル試験(CCT)を施行した327例を対象とした。PAの診断はCCT結果に基づいて行い、PAC基礎値と低カリウム血症の有無からPA・非PAを分類した。
【結果】327例中252例がPAと診断された。PAC>30ng/dLを示した61例は全例がPAと診断された。20≦PAC≦30 ng/dLでは低カリウム血症を有する例は全例PA (26/26)と診断されたが、有さない例には非PA (11/29)が含まれていた。PAC<20ng/dLではカリウム所見に関わらず非PAが含まれていた。
【結語】PAC>300 pg/ml、または200≦PAC≦300 pg/mlかつ低カリウム血症を有する例では機能確認検査を省略できることが示唆された。

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