抄訳
塩分過剰摂取は、高血圧や血管イベントなどの原因となりうるため重要な因子であることが広く知られている。一方で、地域住民レベルでの減塩は未だ十分ではない。減塩を推進するためには、塩分摂取量を測定し塩分過剰摂取の対象を抽出するのが効率的であり、尿からの1日塩分摂取量の測定が一般的に実施されている。しかし、尿検査には、検査機器および尿検体が必須であり、コストも要するため、検査を広く実施するには制約が多いのが問題であった。今回、我々は、Delphi法を用いて作成した質問紙を用い、福島県の棚倉町で住民を対象とした調査を経て、塩分過剰の可能性の高い対象を抽出するための簡便なスクリーニングツールを開発し妥当性を検証した。質問紙の内容は、国や地域で変わりうるが、本スクリーニングツール作成のプロセスは、他地域でも比較的容易に実装可能と考えられる。