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2020/05/27

静脈グラフトを用いた血行再建手術における動脈圧負荷での内膜肥厚に関する研究のためのウサギ頚静脈置換モデル

論文タイトル
A Rabbit Venous Interposition Model Mimicking Revascularization Surgery using Vein Grafts to Assess Intimal Hyperplasia under Arterial Blood Pressure
論文タイトル(訳)
静脈グラフトを用いた血行再建手術における動脈圧負荷での内膜肥厚に関する研究のためのウサギ頚静脈置換モデル
DOI
10.3791/60931
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (159), e60931, doi:10.3791/60931 (2020)
著者名(敬称略)
西尾 博臣、升本 英利 他
所属
京都大学大学院医学研究科 心臓血管外科学

抄訳

 静脈グラフト(移植片)は、虚血性疾患の血行再建手術における自家血管グラフトとして一般的に使用されていますが、静脈に対する動脈圧負荷による内膜肥厚のため、長期開存性は依然として低いままです。本プロトコルは、ウサギ頚静脈を同側頚動脈に移植することにより、実験的に静脈内膜肥厚を再現するものです。このプロトコルは体表・皮下脂肪層までの深さの外科的処置のみで完結でき、切開の範囲も限られているため、動物にとって侵襲が低く、移植後の長期観察が可能です。このプロトコルにより、研究者は移植された静脈グラフトの内膜肥厚の進行を抑制する方法に関する研究を行うことができます。例えばこのプロトコルを使用して、我々はこれまでに、血管平滑筋細胞の表現型を増殖型から分化型(非増殖型)に制御することが知られているmicroRNA-145による静脈グラフトの内膜肥厚抑制効果を示すことが出来ました。

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