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日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2020/07/09

転写因子NFE2L1とNFE2L3は翻訳制御を介して癌細胞のプロテアソーム活性を補完的に維持する

論文タイトル
NFE2L1 and NFE2L3 Complementarily Maintain Basal Proteasome Activity in Cancer Cells through CPEB3-Mediated Translational Repression
論文タイトル(訳)
転写因子NFE2L1とNFE2L3は翻訳制御を介して癌細胞のプロテアソーム活性を補完的に維持する
DOI
10.1128/MCB.00010-20
ジャーナル名
Molecular and Cellular Biology
巻号
Molecular and Cellular Biology  Volume 40, Issue 14
著者名(敬称略)
和久 剛、小林 聡 他
所属
同志社大学大学院生命医科学研究科 遺伝情報研究室

抄訳

タンパク質分解酵素であるプロテアソームは、正常な細胞だけでなく癌細胞の生存や増殖にも必須である。我々はこれまでに、NFE2L1(NRF1)がプロテアソーム構成遺伝子を発現誘導する転写因子であることを報告してきた、また最近になり、そのホモログであるNFE2L3(NRF3)が腫瘍増大や転移促進に寄与することを発見し、NFE2L1とNFE2L3がプロテアソーム制御を介してがん増悪に関与する可能性を見出しつつあったが、その詳細は不明なままだった。本研究では、NFE2L3が翻訳調節因子CPEB3を直接転写することでNFE2L1の翻訳を制御し、癌細胞のプロテアソーム構成遺伝子の発現を補完的に維持していることを明らかにした。またNFE2L3-CPEB3-NFE2L1軸の異常が、プロテアソーム阻害作用を有する抗がん剤ボルテゾミブへの薬剤抵抗性や大腸癌患者の予後不良にも影響を及ぼすことを確認した。以上の本研究成果は、NFE2L3を標的とした新たな抗がん剤開発につながると期待できる。

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