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日本人論文紹介:詳細

2020/08/19

前立腺癌原因遺伝子SPOPは前立腺癌細胞におけるトポイソメラーゼ2AのDNA上からの解離に必須である

論文タイトル
SPOP is essential for DNA–protein cross-link repair in prostate cancer cells: SPOP-dependent removal of topoisomerase 2A from the topoisomerase 2A-DNA cleavage complex
論文タイトル(訳)
前立腺癌原因遺伝子SPOPは前立腺癌細胞におけるトポイソメラーゼ2AのDNA上からの解離に必須である
DOI
10.1091/mbc.E19-08-0456
ジャーナル名
Molecular Biology of the Cell
巻号
Molecular Biology of the Cell Volume 31, Issue 6(397–510)
著者名(敬称略)
渡辺 隆太, 前川 大志, 東山 繁樹 他
所属
愛媛大学 プロテオサイエンスセンター 細胞増殖・腫瘍制御部門

抄訳

 SPOP (speckle-type BTB/POZ protein)は、cullin-3 (CUL3)型ユビキチンE3複合体の基質認識受容体である。前立腺癌患者の約15%においてSPOPの基質タンパク質結合領域にアミノ酸点変異が存在するが、野生型SPOPや前立腺癌由来SPOP変異体の細胞機能は不明な点が多い。本研究では、DNA恒常性におけるSPOPの機能解析を行った。我々の細胞はDNA複製時に生じる新生DNA鎖の絡み合い (DNA複製ストレス)を解消するために、トポイソメラーゼにより積極的に新生DNA鎖を切断し、絡み合いを解消した後、DNAを修復するというDNA-protein crosslink repair機能を有している。解析の結果、SPOPは当該プロセスにおいてトポイソメラーゼ2AのDNA鎖からの解離に必須であることが分かった。前立腺癌細胞において、SPOPの発現抑制及び、前立腺癌由来SPOP変異体を過剰発現する事で、トポイソメラーゼ2AがDNA鎖上に強く蓄積し、DNA double strand breaks (DSBs)が発生した。DSBsの長期的な蓄積はgenome instabilityを引き起こす。SPOPは通常、genome instabilityを防ぐ「門番」として機能しており、前立腺癌由来SPOP変異体が発現する事で、この機能が破綻し、genome instabilityが生じ、前立腺癌が発症するモデルが示唆される。

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