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日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2020/09/15

DRO1ホモログによる根の角度改良は塩害水田でのイネの収量を増加させる

論文タイトル
Root angle modifications by the DRO1 homolog improve rice yields in saline paddy fields
論文タイトル(訳)
DRO1ホモログによる根の角度改良は塩害水田でのイネの収量を増加させる
DOI
10.1073/pnas.2005911117
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
PNAS September 1, 2020 117 (35) 21242-21250
著者名(敬称略)
木富悠花、宇賀優作 他
所属
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構次世代作物開発研究センター

抄訳

根系構造は、干ばつ、冠水、塩害などのストレス条件における作物生産に影響を及ぼす。塩害は世界的に大きな農業問題であるが、これまで塩害回避に役立つ根系構造の遺伝子は発見されていなかった。そこで我々は、イネの根伸長角度に関与する量的形質遺伝子座(qSOR1)をクローニングした。さらに、非機能型のqSOR1により生じる地表根(土壌表面近くに張る根)が塩害水田で生じる土壌還元ストレスを回避し、地表根を形成しない品種よりも増収になることを明らかにした。また、qSOR1は根伸長角度を制御する既知の遺伝子DRO1のホモログであることがわかった。qSOR1DRO1の機能型と非機能型の対立遺伝子座を組み合わせた4つのイネ系統は、深根、中間型、浅根、極浅根の異なる根系構造を示した。以上のことから、多様な環境ストレスに適応した根系構造に作物を改良するうえで、DRO1ホモログ遺伝子は有用な育種素材になると期待される。

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