本文へスキップします。

H1

国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2020/09/24

血管壁の恒常性維持と病態形成におけるメカノトランスダクションの分子機序

論文タイトル
The molecular mechanism of mechanotransduction in vascular homeostasis and disease
論文タイトル(訳)
血管壁の恒常性維持と病態形成におけるメカノトランスダクションの分子機序
DOI
10.1042/CS20190488
ジャーナル名
Clinical Science
巻号
Clinical Science Vol.134 No.17 (2399–2418)
著者名(敬称略)
山城 義人, 柳沢 裕美
所属
筑波大学生存ダイナミクス研究センター

抄訳

血管壁は、血流のずり応力や心拍出に伴う伸展刺激などのメカニカルストレスを細胞内の生化学的シグナルに変換する「メカノトランスダクション 」の機構を備えている。細胞外マトリクスは、血管壁の構造維持と同時に、力学的環境に応答しメカノトランスダクションを惹起するが、その詳細は不明である。本総説では、まず血管壁のメカニカルストレスを解説し、それらを感知するセンサーを紹介し、メカノトランスダクションをいくつかの主要な転写因子の活性経路に対応させて解説する。最後に、マトリクス・メカノトランスダクション におけるフィブロネクチン―内皮細胞、トロンボスポンジン1―平滑筋細胞を中心に、最近の動向を紹介する。内皮細胞や平滑筋細胞におけるメカノトランスダクションの異常が、動脈硬化症、高血圧、大動脈瘤などの血管疾患の分子基盤として関与していることが示唆され、血管疾患に対する新しい治療標的分子の発見が期待される。

論文掲載ページへ