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日本人論文紹介:詳細

2020/10/19

緑膿菌のニトロソ化ストレスに対する低濃度マクロライドの効果: 緑膿菌と多剤耐性緑膿菌の比較

論文タイトル
Effect of Sub-MICs of Macrolides on the Sensitivity of Pseudomonas aeruginosa to Nitrosative Stress: Effectiveness against P. aeruginosa with and without Multidrug Resistance
論文タイトル(訳)
緑膿菌のニトロソ化ストレスに対する低濃度マクロライドの効果: 緑膿菌と多剤耐性緑膿菌の比較
DOI
10.1128/AAC.01180-20
ジャーナル名
Antimicrobial Agents and Chemotherapy
巻号
Antimicrobial Agents and Chemotherapy Volume 64, Issue 10
著者名(敬称略)
清水 健 他
所属
千葉大学大学院 医学研究院 病原細菌制御学

抄訳

 緑膿菌は元々特定の薬剤に対する抵抗性を保持しているため、緑膿菌感染症の治療に用いることができる薬剤は限定されている。さらに近年の多剤耐性緑膿菌の出現は緑膿菌感染症対策に大きな問題となっている。
 低濃度マクロライド療法は緑膿菌感染症の治療法として、すでに確立されているが、多剤耐性緑膿菌に対しての有効性は検討されていない。低濃度のマクロライドは緑膿菌に対して直接的な殺菌効果を持たないので、その効果は生体防御機構に対する緑膿菌の抵抗性の低下を導くことによるものと考えられている。ニトロソ化ストレスとは生体防御機構が産生する一酸化窒素(NO)のような反応性窒素を含む化学物質によって生じるストレスのことを示し、この効果によって生体防御機構は病原細菌を殺菌する。そこで我々はニトロソ化ストレスに対する低濃度マクロライドの効果を緑膿菌と多剤耐性緑膿菌を用いて解析した。その結果、緑膿菌 13株ではsub-MICのマクロライド処理によってNOに対する抵抗性が有意に低下した。一方、多剤耐性緑膿菌34株を用いた結果では、NOに対する抵抗性に有意な低下は見出せなかった。しかし、多剤耐性緑膿菌34株の中で現在世界において大きな問題になっているハイリスククローンST235 27株に限定した場合には、NOに対する抵抗性が有意に低下した。

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