本文へスキップします。

H1

国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2020/11/02

骨芽細胞・骨細胞のビタミンD受容体(VDR)は、in vivoにおいても活性型ビタミンD [1α,25(OH)2D3] による骨吸収促進作用に不可欠である

論文タイトル
The Vitamin D Receptor in Osteoblast-Lineage Cells Is Essential for the Proresorptive Activity of 1α,25(OH)2D3 In Vivo
論文タイトル(訳)
骨芽細胞・骨細胞のビタミンD受容体(VDR)は、in vivoにおいても活性型ビタミンD [1α,25(OH)2D3] による骨吸収促進作用に不可欠である
DOI
10.1210/endocr/bqaa178
ジャーナル名
Endocrinology
巻号
Endocrinology Vol.161 No.11 (bqaa178)
著者名(敬称略)
森 智紀, 中道 裕子 他
所属
松本歯科大学 総合歯科医学研究所 硬組織機能解析

抄訳

活性型ビタミンD製剤は骨吸収を抑制するため、骨粗鬆症治療薬として用いられている。対照的にビタミンD過剰症では、骨吸収の亢進が認められる。一方、骨芽細胞と造血細胞の共存培養系において、活性型ビタミンDは骨芽細胞のVDRを介して破骨細胞分化を促進する。しかしこれまでに、活性型ビタミンDに関して、in vivoにおける骨吸収抑制作用機構についての報告は多数あるものの、骨吸収促進作用についての研究報告はなかった。本論文では、活性型ビタミンDの骨吸収促進作用と血清カルシウム(Ca)上昇作用および体重減少作用の因果関係について、野生型マウスへの抗RANKL(破骨細胞分化因子)中和抗体投与による骨吸収抑制実験および、骨芽細胞・骨細胞特異的VDR欠損(Ob-VDR-cKO)マウスを用いた実験により調べた。その結果、1α,25(OH)2D3が骨芽細胞・骨細胞のVDRを介して骨吸収促進作用を発揮し、その骨吸収促進作用が、血清Ca上昇作用および体重減少作用の発現に必須であることを示した。

論文掲載ページへ