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2020/11/26

主要な終末糖化産物であるNε-カルボキシメチルリジンの食事摂取は高山スタディでの日本人成人の死亡リスク上昇とは関連がなかった

論文タイトル
Dietary Intake of Nε-carboxymethyl-lysine, a Major Advanced Glycation End Product, is Not Associated with Increased Risk of Mortality in Japanese Adults in the Takayama Study
論文タイトル(訳)
主要な終末糖化産物であるNε-カルボキシメチルリジンの食事摂取は高山スタディでの日本人成人の死亡リスク上昇とは関連がなかった
DOI
10.1093/jn/nxaa230
ジャーナル名
Journal of Nutrition
巻号
Journal of Nutrition Volume.150 Issue.10
著者名(敬称略)
永田 知里 他
所属
岐阜大学大学院医学系研究科 疫学・予防医学分野

抄訳

終末糖化産物(AGE)は様々な慢性疾患の発症に関与すると考えられているが、食品中のAGEの健康影響については未だ不明である。そこで本研究は、主要なAGEであるNε-カルボキシメチルリジン(CML)の一般成人における食事からの摂取量を推定し、全死亡、死因別死亡リスクとの関連を評価した。CML摂取量の推定は、LC-MS測定による食品中CML含有量データベースを用いた。対象者は、高山スタディ参加者、35歳以上の男性13,355名、女性15,724名で、1992年に自記式の調査票に回答を得た。CML摂取を含む食習慣の評価はこのベースライン時の食物摂頻度調査票による。16年の追跡期間中に男性2,901名、女性2,438名の死亡が認められた。男性ではCML高摂取群(上位1/4)は低摂取群(下位1/4)に比べ、全死亡リスクは、ハザード比0.89 (95% CI 0.79-1.00, P-trend = 0.047)と低下していた。女性では、層化因子により、CML摂取と死亡リスクは、正負ともに関連性が認められた。本研究の日本人成人における結果は、CML摂取による死亡リスク上昇を支持するものではなかった。

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