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日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2020/12/07

微生物は多繊毛化によって最大遊泳効率を獲得している

論文タイトル
Swimming microorganisms acquire optimal efficiency with multiple cilia
論文タイトル(訳)
微生物は多繊毛化によって最大遊泳効率を獲得している
DOI
10.1073/pnas.2011146117
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
PNAS December 1, 2020 117 (48) 30201-30207
著者名(敬称略)
大森俊宏 他
所属
東北大学大学院工学研究科ファインメカニクス専攻/医工学研究科医工学専攻

抄訳

遊泳微生物が運動することによって作られる微細な「流れ」は、微生物個体群の凝集や、分布を決定づけるキーファクタとなります。本研究では、繊毛と呼ばれる運動器官が生み出す流れを解析することで、微生物の運動エネルギに新しいスケーリング則を提示し、微生物が複数の繊毛を駆使することで、最適な泳ぎ方を獲得していることを明らかにしました。
もし、繊毛数を一定のまま、体長を大きくすると、遊泳効率は体長の3乗に比例して低下します。しかし、繊毛数を増やすことで、効率が100倍も高められ、最大効率が得られる最適な繊毛数密度が存在することを発見しました。最適な繊毛数が体表面にある場合、遊泳効率は体長に反比例して減少します。我々が推定した最適な繊毛数密度は、実際の微生物(微細藻類、繊毛虫など)の数密度と一致しており、この結果は、現存の遊泳微生物が遊泳効率を最大化することで生き残ってきたことを示唆しています。

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