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日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2021/01/21

触刺激で誘発される疼痛様行動に重要な脊髄後角介在神経サブセット

論文タイトル
A subset of spinal dorsal horn interneurons crucial for gating touch-evoked pain-like behavior
論文タイトル(訳)
触刺激で誘発される疼痛様行動に重要な脊髄後角介在神経サブセット
DOI
10.1073/pnas.2021220118
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
PNAS January 19, 2021 118 (3) e2021220118
著者名(敬称略)
田島諒一,古賀啓祐,吉川優,八坂敏一,津田誠,他
所属
九州大学大学院薬学研究院薬理学分野
新潟医療福祉大学健康科学部健康栄養学科

抄訳

がんや糖尿病などで神経系が障害を受けた場合、神経障害性疼痛が発症することがあります。特に、皮膚に軽く触れるような刺激でも痛みがでる「アロディニア」は、モルヒネが効き難く、治療に難渋する痛みです。通常、触刺激で痛みがでることはありませんが、なぜ神経障害後にはそれが起こるのでしょうか?
今回の研究では、そのメカニズムの解明につながる重要な神経細胞(AAV-NpyP神経:AAVに搭載したNPYプロモーターで制御される神経)を特定し、それが神経障害性アロディニアに深く関わることを世界で初めて明らかにしました。この神経は脊髄の表層に局在し、神経障害後にアロディニアを呈しているネズミでは活動性が低下していました。さらに、その低下した神経活動を高めるとアロディニアが緩和され、逆に、正常のネズミの神経活動を人工的に低下させるとアロディニアが発症しました。したがって、今回特定した神経の活動を高める化合物が見つかれば、神経障害性疼痛に有効な治療薬の開発につながる可能性があります。

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