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日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2021/02/08

KNDyニューロンが性腺刺激ホルモン分泌を制御し、卵胞発育を司る繁殖中枢であることを証明

論文タイトル
Direct evidence that KNDy neurons maintain gonadotropin pulses and folliculogenesis as the GnRH pulse generator
論文タイトル(訳)
KNDyニューロンが性腺刺激ホルモン分泌を制御し、卵胞発育を司る繁殖中枢であることを証明
DOI
10.1073/pnas.2009156118
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
PNAS February 2, 2021 118 (5) e2009156118
著者名(敬称略)
長江麻佑子、上野山賀久、束村博子 他
所属
名古屋大学 大学院生命農学研究科 動物科学専攻 動物生殖科学

抄訳

ヒトや家畜を含む哺乳類において、キスペプチンニューロンは生殖機能に不可欠な繁殖中枢である。脳の視床下部弓状核に分布するキスペプチンニューロンは、キスペプチンのほかに、ニューロキニンBとダイノルフィンAも合成、分泌することから、これらの頭文字をとってKNDyニューロンとも呼ばれる。我々は、先天的不妊モデル動物 (全身性キスペプチン遺伝子ノックアウトラット) の脳内にキスペプチン遺伝子を人為的に導入して、2割以上のKNDyニューロンを復元させると、性腺刺激ホルモン分泌が回復し、卵胞が排卵可能なサイズにまで発育することを示した。また、脳内のキスペプチン遺伝子を後天的にノックアウトできるラットの作製にも成功し、9割以上のKNDyニューロンでキスペプチン遺伝子を喪失させると、KNDyニューロン以外のキスペプチンニューロン群が残存しても、卵胞発育に必要な性腺刺激ホルモン分泌が消失することを示した。これらの結果から、我々は、KNDyニューロンが性腺刺激ホルモン分泌を制御し、卵胞発育を司る繁殖中枢であることを証明するとともに、2割のKNDyニューロンの復元により繁殖機能を回復できることを示した。本知見は、家畜の繁殖障害の治療、ヒトの不妊治療などへの応用が期待される。

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