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2021/02/22

酸化ストレス応答時に発現誘導される転写産物を長鎖リード・トランスクリプトーム解析によって同定

論文タイトル
Identification of Dominant Transcripts in Oxidative Stress Response by a Full-Length Transcriptome Analysis
論文タイトル(訳)
酸化ストレス応答時に発現誘導される転写産物を長鎖リード・トランスクリプトーム解析によって同定
DOI
10.1128/MCB.00472-20
ジャーナル名
Molecular and Cellular Biology
巻号
Molecular and Cellular Biology February 2021; volume 41,issue 2
著者名(敬称略)
大槻 晃史、山本 雅之 他
所属
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
東北大学大学院医学系研究科 医化学分野

抄訳

ヒトを含む多くの生物では、ひとつの遺伝子から複数種類の転写産物(転写産物アイソフォーム)が発現している。NRF2は生体の酸化ストレス応答を制御するマスター転写因子であるが、その標的遺伝子における転写産物アイソフォームが、どのような量的バランスで発現しているかは、これまで十分に明らかではなかった。本研究では、長鎖リード型シークエンサーを用いた全長トランスクリプトーム解析を実施し、親電子性ストレス応答時に発現する転写産物アイソフォームの正確な構造決定と発現量の評価を行った。これにより、転写産物レベルでの発現解析における、長鎖リード解析の有用性を実証した。また、親電子性ストレス条件下では、比較的少数の転写産物アイソフォームが選択的に発現していることが明らかとなった。この結果は、生体のストレス応答において、転写産物の利用が厳密に制御されることにより、機能的なタンパク質が産生されていることを裏付けるものである。

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