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日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2021/04/06

自己免疫性肝疾患を合併したウイルス性肝疾患に対して二重濾過血漿交換療法で有効な早期ウイルス除去が奏功した症例

論文タイトル
Successful treatment of positive-sense RNA virus coinfection with autoimmune hepatitis using double filtration plasmapheresis
論文タイトル(訳)
自己免疫性肝疾患を合併したウイルス性肝疾患に対して二重濾過血漿交換療法で有効な早期ウイルス除去が奏功した症例
DOI
10.1136/bcr-2020-236984
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.14 Issue 3 (2021)
著者名(敬称略)
上村 博輝 寺井 崇二
所属
新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野

抄訳

C型肝炎ウイルス(HCV)の治癒率は現在95%を超えます。インターフェロンフリーの直接作用型抗ウイルス剤が利用できるようになったことは、過去数十年の臨床医学分野において革新的な進歩で2020年度には関係者がノーベル医学生理学賞を受賞されています。 一方,多臓器に影響を及す重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)を原因とするCoronavirus Disease 2019 (COVID-19)の治療戦略について有効性のあるものがまだ定まっていません。1本鎖プラスRNAウイルスはゲノム本体そのものがmRNAとして働き、ウイルス蛋白質を作り出します。細胞質内で自らが持つRNA依存性RNAポリメラーゼで複製し、SARS-CoV-2、日本脳炎ウイルス、デング熱ウイルス、C型肝炎ウイルス等が含まれます。このためC型肝炎の治療で得られた症例の知見は貴重です。 二重濾過血漿交換療法Double filtration plasmapheresis (DFPP)は、血漿成分フィルターを用いて高分子量物質を選択的に除去する方法です。DFPPは2008年から2015年頃までC型慢性肝炎ウイルス(HCV)の治療に日本国内では保険承認された治療でした。2次膜に平均孔径30nmをもつDFPP を用いた自己免疫性肝炎合併のC型慢性肝炎(粒子径:55–65nm)の治療成功症例について、早期のウイルス除去が証明できたこと、また本方法がSARS-CoV-2 (粒子径:80–220nm)に効果を持ち、 COVID-19 重症例において、サイトカインストームにも有効な治療であったことが世界的に報告されていることを引用文献として概説、DFPPの機序についての図解を付記した症例報告です。

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