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2021/04/14

無石性胆嚢炎による閉塞性黄疸: “Mirizzi-like syndrome”

論文タイトル
Obstructive jaundice due to acute acalculous cholecystitis: ‘Mirizzi-like syndrome’
論文タイトル(訳)
無石性胆嚢炎による閉塞性黄疸: “Mirizzi-like syndrome”
DOI
10.1136/bcr-2020-239564
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.14 Issue 3 (2021)
著者名(敬称略)
坂本 貴志
所属
東京ベイ・浦安市川医療センター

抄訳

Mirizzi syndromeは胆嚢内に嵌頓した結石が総肝管の圧迫を引き起こす急性胆嚢炎で、胆嚢摘出術によって治療されるが、各タイプに応じて総胆管や肝胆管に追加の処置が行われる。無石胆嚢炎は、重症患者に見られる稀な胆嚢炎であり、胆嚢管は開通しており、胆石は確認されない. 無石性胆嚢炎は外因性閉塞性黄疸の原因となることが報告されているが、その病態は明らかになっておらず、最適な治療法は確立されていない. 本報告では,外因性閉塞性黄疸を伴う無石性胆嚢炎-”Mirrizi-like syndrome”-に対して経皮経肝的胆嚢ドレナージ(PTGBD)を行い、肝管狭窄が速やかに改善した症例を紹介する. 78歳女性, クモ膜下出血で入院中に, 腹痛と閉塞性黄疸を発症. CT検査では急性胆嚢炎の所見と肝内管の拡張が認められた。内視鏡的逆行性胆管造影(ERCP)では、腫大した胆嚢による圧迫で肝管狭窄が認められた. 総肝管には結石は見られず、胆嚢管は開存していた。閉塞性黄疸に対して,内視鏡的逆行性胆道ドレーンを留置し, 一方で無石性胆嚢炎に対して, PTGBDを行った. PTGBDの19日後に行われたERCPでは,肝管狭窄は改善していた。Mirizzi-like syndrome "を非手術で治療することは妥当であると思われる。

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