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日本人論文紹介:詳細

2021/05/18

ユビキチン化CK5/6の細胞質内蓄積により印環細胞形態を示した基底細胞癌の一例

論文タイトル
Basal cell carcinoma with signet ring cell morphology accumulating the ubiquitinated cytokeratin 5/6
論文タイトル(訳)
ユビキチン化CK5/6の細胞質内蓄積により印環細胞形態を示した基底細胞癌の一例
DOI
10.1136/bcr-2021-241993
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.14 Issue 4 (2021)
著者名(敬称略)
渡邊 理子、榎本克彦 他
所属
秋田赤十字病院 形成外科

抄訳

基底細胞癌にはいくつかの亜型が存在するが、印環細胞形態を示す基底細胞癌は極めて稀である。われわれは79歳男性の頬に生じた印環細胞形態を示す基底細胞癌を経験し病理組織学的検討を行った。腫瘍は基底細胞癌に特徴的な胞巣辺縁の柵状配列を示し、柵状配列内側の腫瘍細胞の多くに細胞質内の好酸性細顆粒状物質の貯留により核が細胞辺縁に圧排される、いわゆる印環細胞形態を認めた。これまでの英文症例報告17例では印環細胞の細胞質内にケラチンあるいは筋上皮分化を示す物質貯留が報告されている。免疫染色で本症例では筋上皮マーカーの貯留は確認されず基底細胞ケラチンであるCK5/6が陽性を示した。さらにCK5/6貯留部位に一致してユビキチンプロテアソームタンパク質分解システムの構成要素であるユビキチンの発現を認めた。角化細胞のケラチン分子の分解にはユビキチンプロテアソームシステムが関与している。したがって、本症例でみられたユビキチン化CK5/6細胞質内蓄積による印環細胞形態は、癌化により基底細胞ケラチンであるCK5/6分解系に異常が生じていることを示唆している。

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