本文へスキップします。

H1

国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2021/07/06

滑走するフラボバクテリアの単層集合運動が生み出す動的回転を伴う巨大渦

論文タイトル
Large-Scale Vortices with Dynamic Rotation Emerged from Monolayer Collective Motion of Gliding Flavobacteria
論文タイトル(訳)
滑走するフラボバクテリアの単層集合運動が生み出す動的回転を伴う巨大渦
DOI
10.1128/JB.00073-21
ジャーナル名
Journal of Bacteriology
巻号
Journal of Bacteriology Vol. 203, No. 14
著者名(敬称略)
中根 大介 他
所属
電気通信大学 基盤理工学専攻

抄訳

自己駆動型粒子の集団運動は、物理学や生物学において魅力的なテーマである。洗練された巨視的な行動は、何千、何百万ものバクテリア細胞の集団が、べん毛の回転や走化性反応によって自らを推進することで現れる。今回、私たちは非べん毛性の棒状土壌細菌Flavobacterium johnsoniaeの連続的な相転移に伴う一連の集団運動を発見した。この集団運動は、滑動運動として知られる表面細胞の動きによって引き起こされていた。低栄養条件では細菌群は寒天上で自発的な渦パターンを示し、それらは左回りに旋回しながら巨大化した。単独の細胞ではランダムな方向に動くが、細胞同士がつながっているものは、飢餓状態では左回りに偏った軌道を示すことが明らかになった。この運動モードは細菌が栄養分を効率的に見つけ出すための戦略なのかもしれない。

本論文に関連するビデオが下記でご覧になれます。

論文掲載ページへ