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2021/07/15

Rnd2は脳の白質に多く発現し、脳白質のミエリン構造の維持に関わる

論文タイトル
Rnd2 differentially regulates oligodendrocyte myelination at different
developmental periods
論文タイトル(訳)
Rnd2は脳の白質に多く発現し、脳白質のミエリン構造の維持に関わる
DOI
10.1091/mbc.E20-05-0332
ジャーナル名
Molecular Biology of the Cell
巻号
Molecular Biology of the Cell Volume 32, Issue 8(769-787)
著者名(敬称略)
宮本 幸、山内 淳司 他
所属
国立成育医療研究センター研究所 薬剤治療研究部

抄訳

 脳の白質は、ミエリンに富む構造である。ミエリンを構成する細胞はグリア細胞と呼ばれ、脂質を多く含む絶縁体として働き、神経細胞を保護すると同時に神経伝達信号を効率よく伝える役割をもつ。ミエリンは、比較的再生能力が高いものの、ミエリンが変性している時期が長期に及ぶと、その再生能力が低下すると言われているため、ミエリン形成のメカニズムの根本を解明することが、ミエリン変性疾患等の治療薬の開発につながると考えられる。
 当該研究では、Rnd2が脳内のグリア細胞に高発現していることを見いだし、ミエリン化において重要な分子の一つであるRho kinaseを介して、ミエリン化の過程を厳密に制御していることを明らかにした。本研究結果から、ミエリン変性を呈する様々な疾患において、Rnd2の活性を調整することでミエリン組織を再生できる可能性が生まれ、治療薬の開発につながることが期待される。

 

 

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