本文へスキップします。

H1

日本人論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2021/08/31

S1PR3-G12バイアスド作動薬ALESIAによるがん飢餓療法の可能性

論文タイトル
S1PR3–G12-biased agonist ALESIA targets cancer metabolism and promotes glucose starvation
論文タイトル(訳)
S1PR3-G12バイアスド作動薬ALESIAによるがん飢餓療法の可能性
DOI
10.1016/j.chembiol.2021.01.004
ジャーナル名
Cell Chemical Biology
巻号
Cell Chemical Biology Volume 28, Issue 8, August 19, 2021
著者名(敬称略)
萩原 正敏  豊本 雅靖
所属
京都大学大学院医学研究科・医学部 形態形成機構学

抄訳

がん組織は周辺の正常組織に比べて、組織重量あたりのグルコース量が著しく低下している。この現象は、がん細胞がワールブルグ効果によって多量のグルコースを消費していることに起因する。そこで我々は、低グルコース環境下のみでがん細胞増殖阻害を示す化合物を表現型スクリーニングで見出し、その化合物の標的分子と作用機序を解明した。本化合物はスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体S1PR3に結合するが、内因性リガンドのS1Pとは異なるバイアスド作用によって一酸化窒素産生を促進し、がん細胞のプログラム細胞死を引き起こすことが判明した。本化合はXenograftモデルマウスにおいても抗腫瘍作用を示し、がん細胞だけをグルコース飢餓で死滅させる副作用の少ない新しい抗がん剤として期待できるため、ALESIA; Anti-cancer Ligand Enhancing Starvation-Induced Apoptosisと命名した。

論文掲載ページへ