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日本人論文紹介:詳細

2021/09/03

SPATA33はカルシニューリンをミトコンドリアに局在させることにより精子運動性を制御する

論文タイトル
SPATA33 localizes calcineurin to the mitochondria and regulates sperm motility in mice
論文タイトル(訳)
SPATA33はカルシニューリンをミトコンドリアに局在させることにより精子運動性を制御する
DOI
10.1073/pnas.2106673118
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
PNAS August 31, 2021 118 (35) e2106673118
著者名(敬称略)
宮田 治彦 伊川 正人 他
所属
大阪大学 微生物病研究所・附属遺伝情報実験センター 遺伝子機能解析分野

抄訳

カルシニューリンはカルシウム依存性の脱リン酸化酵素であり、免疫応答を含む様々な生命現象に関わっている。精子特異的なカルシニューリン (精子カルシニューリン) は、受精に必要な精子の運動性を制御しており、男性避妊薬の有望な標的だと考えられている。しかし、精子カルシニューリンと免疫細胞のカルシニューリンはアミノ酸配列が類似しており、精子カルシニューリンを阻害すると免疫機能も抑制されてしまう可能性がある。そのため、精子特異的にカルシニューリンの機能を制御する機構の解明が望まれていた。本研究では、カルシニューリンとの相互作用に関わるPxIxIT配列を含み、且つ精巣特異的に発現する遺伝子をin silicoで探索した。同定した3つの遺伝子のノックアウト (KO) マウスを作製したところ、SPATA33が精子カルシニューリンと相互作用することを見つけた。Spata33のKOマウスは、精子カルシニューリンのKOマウスと同様に精子運動性と生殖能力の低下を示した。さらに、Spata33のKO精巣ではカルシニューリンがミトコンドリアから消失していた。SPATA33はカルシニューリンをミトコンドリアに局在させることにより精子の運動性を制御していると考えられる。SPATA33を標的にすることで、精子特異的にカルシニューリンの機能を阻害する男性避妊薬の開発が期待される。

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