抄訳
間質性肺炎合併肺癌患者における術後急性増悪の発症を予測するCT所見の調査のため、急性増悪群(AE群)31例、非増悪群(no-AE群)61例につき術前CT所見を比較した。
術前CT上、AE群、no-AE群で通常型間質性肺炎パターンは各々58%、74%にみられた(p=.16)。すりガラス病変の範囲(%)は平均±標準偏差で各々6.3±5.4、3.9±3.8 (p=.03)、コンソリデーションは0.5±1.2、0.1±0.3 (p=.009)、平均肺動脈幹径(mm)は28±4、26±3 (p=.02)で有意差を認めた。
CT所見のみの術後急性増悪予測モデルでは、独立予測因子はすりガラス病変 (オッズ比(OR)=2.8)、コンソリデーション病変 (OR=9.4)、肺動脈幹径 (OR=4.2)であり、このモデルのarea under the curveは 0.75で、陽性的中率71%、陰性的中率77%であった。