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2022/01/05

くすぶり型と診断されたHTLV-1関連細気管支炎・肺胞異常症(HABA-B)にANK療法が奏功した1例

論文タイトル
Successful treatment of smouldering Human T cell Leukemia Virus Type1 associated bronchiolitis and alveolar abnormalities with amplified natural killer therapy
論文タイトル(訳)
くすぶり型と診断されたHTLV-1関連細気管支炎・肺胞異常症(HABA-B)にANK療法が奏功した1例
DOI
10.1136/bcr-2021-244619
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.14 No.12 (2021)
著者名(敬称略)
長井 賢次郎
所属
医療法人えびのセントロクリニック

抄訳

ANK療法は、先ず、患者さんの血液からリンパ球を分離採取し、抗がん作用を高めるための培養を行います。 次に、がん細胞を傷害する能力を高め、数を増やしたナチュラルキラー(NK)細胞を体内に点滴する事で治療が始まります。 今回ANK療法を実施したのは、成人T細胞白血病くすぶり型と診断され、 ウイルス(HTLV-1)による気管支肺胞障害(HABA)がある81歳の女性患者にANK療法を行いました。 治療内容は、培養後のNK細胞を点滴にて週2回、合計8回実施しました。 その後、CTスキャンにて両側の びまん性粒状陰影の改善と全体の呼吸機能、そして患者の自覚症状が顕著に改善を認めました。また、ANK治療は通院にて実施しましたが、重篤な副作用は認めませんでした。 ANK療法は、高齢で化学療法が施行できない患者でも安全に治療でき効果も期待できる治療です。また、HABAの新たな治療法の一つになり得ます。

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