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2023/03/20

シロイヌナズナ葉緑体翻訳因子EF-Tuは特異的なシステイン残基の酸化により失活する

論文タイトル
Chloroplast translation factor EF-Tu of Arabidopsis thaliana can be inactivated via oxidation of a specific cysteine residue
論文タイトル(訳)
シロイヌナズナ葉緑体翻訳因子EF-Tuは特異的なシステイン残基の酸化により失活する
DOI
10.1042/BCJ20220609
ジャーナル名
Biochemical Journal
巻号
Biochem J (2023) 480 (5): 307–318.
著者名(敬称略)
鳥生 万智 西山 佳孝 他
所属
埼玉大学大学院理工学研究科 生命科学部門分子生物学領域

抄訳

翻訳因子EF-TuはアミノアシルtRNAをリボソームに運搬する。本研究では、シロイヌナズナの葉緑体に局在するEF-Tu(以下、cpEF-Tu)について、組換えタンパク質を作製して酸化感受性を解析した。cpEF-Tuを過酸化水素で処理すると、システイン残基が酸化されてスルフェン酸が生成した。cpEF-Tuの翻訳活性を大腸菌in vitro翻訳系を使って調べたところ、酸化型cpEF-Tuは失活していることがわかった。成熟型cpEF-Tuに存在する2つのシステイン残基のうちCys149をセリン残基に改変したcpEF-Tuでは、過酸化水素によるシステイン残基の酸化も翻訳活性の失活も見られなかったことから、Cys149の酸化が失活の原因であることが示唆された。また、酸化型cpEF-Tuは葉緑体に存在する主要なチオレドキシンf1により還元され、再活性化されることから、cpEF-Tuの酸化は可逆的でレドックス依存的な翻訳制御メカニズムであることが示唆された。

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